ぶらぶら散歩道

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唐ゆきさん(1)

「唐ゆきさん」を知っているだろうか。私が、長崎に赴任して、ぶらり立ち寄った本屋で目に止まった加害者の告白の一書である。長崎は、出島を通して外国との貿易の窓口になっていた。様々な品が取引され、文化も多く輸入して、多彩な文化の華を咲かせた。他の地域の日本とは違う絢爛たる活気ある長崎の街だったに違いない。

 ところが、その裏で若い娘達の人身売買が行われていたと言うのだ。長崎に隣して浮かぶ天草の島々の人々は貧しく困窮していた。そこで、身売りが始まったようだ。

 出島に来た外国船は、帰りに娘達を乗せて東南アジアへと連れて行く。仲介人は、集めた娘達を小舟に乗せて、沖合に停泊して待っている外国船に引き渡すのだ。娘たちは、鰹節1本を持たされ、船底に詰め込まれた。食事も与えられず一本の鰹節をしゃぶりしゃぶり数日掛けて東南アジアへ連れて行かれたという。

                             (つづく)